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10数年前、高校を卒業した私は訳のわからないまま大阪のホテルに就職し、スカイラウンジに配属されてバーの世界に入りました。厳しい指導の元で、お客様に喜んでいただく快感を知りました。
しかし本当にこれが自分の一生の仕事なのかと不安に感じ、自分を知るため、また広い視野を持った人間になるため、仕事を辞めニュージーランドへ旅に出ました。
ニュージーランドの人々は、見知らぬ日本人にとても親切にしてくれました。その親切に甘え、ヒッチハイクでニュージーランド1周の旅を成し遂げました。
このニュージーランドの旅が「ペンション&バー サイドヒル」誕生の原点となったのです。

ニュージーランドのある町で、ヒッチハイクをしてのせてくれたおじさんに
『ありがとう』
と、いつもの様に言って車から降りようとすると、
『ありがとうは言わないでおくれ』
と言われたのです。
『もし君が僕にありがとうと思ったなら、無事君がこの旅を終えて日本に帰ったとき、君が車でヒッチハイクをしている若者を見つけたらぜひ乗せてやってくれ。』と言われたのです。
『実は私も若い頃、3年間世界中を旅したんだ。それは沢山の人々の助けがあって達成できたんだ。だから私はその恩返しをする為に君を私の車に乗せた。沢山もらった親切を返しているのさ。だから君も、その感謝の気持ちを次世代に返してあげてほしいんだ。」
そうした言葉を軽く聞いて別れたものの、後から後からおじさんの言葉の意味が、痛いほど分かってきました。そして自分が出来ることは?と考える様になったのです。
日本に帰ると、再びホテルで職を見つけてサービス業に就きました。自分が出来る恩返しはホスピタリティ業(サービス業)だと思ったのです。そして忙しい毎日を送る日本人に素敵な旅を、豊かな休日を提供できる場所を作りたいと思う様になったのです。

日本に帰国して10年が過ぎ、ささやかながらようやくその場所をオープンする事ができました。これまでの経験と感謝を全て捧げて。お客様が本当に豊かな気持ちになって帰っていただけるよう、最善を尽くしたいと思います。
どうぞペンション&バー サイドヒルを末永くよろしくお願いいたします。
2004年7月15日
サイドヒル 片岡喜久雄
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